下野国・春の山里に癒される旅(後編)

 

2日目、早めに宿を出発して、宇都宮市の大谷観音に向かいました。

宇都宮市大谷町は「大谷石」の産地として有名です。

 

大谷地区に入ると突然、「ここは耶馬渓か?」と思うような奇岩群が広がります。

約1500万年前に起こった海底火山の噴火により、

膨大な凝灰岩の地層ができたということです。

(ということは、ここは元は海だったわけですね…(^^;)

  

奇岩群の大きな洞穴にすっぽりとおさまるような形で「天開山大谷寺」が建っています。

見上げると、眼前に迫る岩々のパワーに圧倒されます。

本堂の中から、摩崖仏の千手観音さまをお参りする形です。

 

大谷寺(栃木県宇都宮市)
大谷寺(栃木県宇都宮市)

 

大谷寺のご本尊・千手観音(高さ4m)は平安時代810年に作られました。

シルクロードにタイムスリップしたかのような雰囲気で、とても美しい仏さまでした。

千の手と千の眼をもつ千手千眼観世音菩薩さまです。

見ているとなぜか懐かしい感じがし、癒されます。

 

当時は全面金色に装飾されていたようですが、現在は石の面だけになっています。

弘法大師の作とも伝えられますが、最新の研究では、

アフガニスタンから来た僧が彫ったのではないかということです。

 

ほかにも、脇堂の釈迦三尊・薬師三尊・阿弥陀三尊など、

10体の石像が彫られていて、どれも美しく見ごたえがあります。

 

大谷観音は通常の日本のお寺の仏像と少し雰囲気が違い、

シルクロードとか原始仏教のイメージを感じさせます。

 

山田の話です。

「古代も世界中で民族の移動がありました。

たとえば、多胡羊太夫(たごひつじだゆう)は奈良時代に活躍した

上野国(群馬県)の多胡郡の郡司だったとされます。

この羊太夫は中央アジア出身の渡来人という説があります。

 

また、奈良の正倉院にはペルシア伝来のガラス白瑠璃碗(はくるりのわん)があります。

古代日本はペルシャ人、ユダヤ人をはじめ中東の人々との交流もあり、

日本はさまざまな民族が暮らしていたと考えられます」

 

境内には池があり、橋を渡ったところに弁天堂があり、脇に白蛇のオブジェがあります。

弘法大師空海が毒蛇を改心させ、弁財天に仕える白蛇になったという話です。

 

伝承によれば、

「昔、大谷の地には毒蛇が住み、毒水を流し、

この水に鳥獣虫魚が触れるとたちまちにして死に、

五穀も枯れ、人間も病気になったり死んだりした。

そのため地獄谷と呼ばれていた。

 

苦しんだ人々は村を捨てようと考えていたが、

東国を巡行していた弘法大師がこの話を聞きつけ、

毒蛇のいる谷へと入っていった。

 

10日余りたって谷から出てきた弘法大師は、

毒蛇を退治したことを人々に告げて立ち去った。

 

人々が谷の奥に入ってみると、岩壁に光り輝く千手観音が彫ってあった。

人々は弘法大師に感謝し、観音様を信仰した」

 

これが大谷寺の発祥の由来ということです。

 

大谷寺から少し歩いたところに巨大な「平和観音」の立像があります。

高さ27メートルで、第二次大戦後、戦没者の慰霊と世界平和を願って、

岩壁に総手彫りで彫られたということです。

 

観音像の背後にある大谷寺のご本尊の“前立て”ということです。

柔和な表情で、お姿は群馬県高崎市にある白衣観音像とよく似ています。

 

大谷寺の摩崖仏、奇岩群、御止山、資料館など、

いくつかのスポットが気軽に回れて、

まだ行かれてない人にはおススメのパワースポットです。

 

久々に春の栃木路の穏やかで豊かな自然にふれ、

下野国の神仏にお会いし、ほっと癒される旅になりました。

また新しいスポットを見つけにいきたいなと思います(*^-^*)

 

大谷平和観音
大谷平和観音

 

さて、昨日の講座は盛況のうちに無事開催できました。

全国からお越しいただいた皆さま、誠にありがとうございました。

皆さまの「鳳凰珠」と「十王帝符」が益々光輝き、ご活躍されますように。

 

余談ですが、山田の話では、

神犬ソフィーは今回も「光の白狐神さまのグループ」の一員として参加していました。

 

ソフィーにとっては、講座の幽斎神事に参加して、

鳳凰原則界業の状況を精霊界に伝えることも仕事になっているということです。

 

ソフィーは前回の講座で「鳳凰珠」を伝授され、翼がパワーアップしました。

霊的にレベルアップしたため、最近、神犬のお仕事が増えているようです。

幽斎神事に参加すると、“霊的進化”が起きるということです!