下野国・春の山里に癒される旅(前編)

 

先日、急に思い立って、久しぶりに1泊旅行しました。

今回は北が吉方なので、目的地を栃木県日光にしました。

 

日光方面も過去何度も行っているのですが、

それまではペット連れの旅で制限が多かったので、

今回はじっくり拝観しようと思いました。

 

旅では今まで行ったことがない場所も必ず加えます。

今回は帰路に「大谷観音」に行くことにしました。

 

2日間ともお天気に恵まれ、初夏の陽気でした。

栃木に向かう高速道路は、両側の木々が色とりどりに美しく、

いろいろな種類の木々が調和しています。

山々は春らんまんに萌えていて、里山はよく手入れされて清々しいです。

 

桜が満開をやや過ぎた頃でしたが、あちこちに残っていてきれいでした。

杉並木も美しく整備され、栃木の豊かさ、ゆとりを感じました。

 

まず、鹿沼市に鎮座する「古峯神社」をめざします。

 

古峯神社は2013年8月に初めて訪れています(秘録39号)。

古峯神社は「知る人ぞ知る」という神社で、観光地化されていませんが、

近年の御朱印ブームでブレイクしました。

アートな天狗の御朱印が大人気のようです。

 

古峯神社まではゆるやかな山道を登っていきます。

初めて行った時は、山奥にたいへん立派な神社が鎮座していることに驚いたのですが、

今回も変わらず境内は清浄に保たれていました。

 

平日で参拝客は少なかったので、ゆっくり参拝できました。

 

ちょっと変わっているのは、拝殿に靴を脱いであがって、

広い畳敷きの拝殿でお参りできるところです。

 

1300年の歴史をもつ古峯神社は別名「天狗の社」と呼ばれ、

ご祭神・ヤマトタケルノ尊さまのお使いの天狗がたくさんおられます。

拝殿や境内にカラス天狗に大天狗、さまざまな巨大な天狗の石像や絵、大きな下駄などが奉納されています。

古峯神社と境内の天狗面の石像
古峯神社と境内の天狗面の石像

 

2013年に来た時に、古峰神社の神仏をご開運させていただきました。

古峯神社には“隠れ神”として国常立大神さまもおられます。

隠れ神である大自然神・国常立大神さまが、

人間神・ヤマトタケルノ尊さまに代わって、人間の願い事をお聴きしているわけです。

 

古峯神社は秩父の三峯神社や東京の武蔵御嶽神社と似た雰囲気があります。

古来から山岳修験の霊場として信仰され、

現在でも全国から古峯講の信者がバスを連ねて参拝に来るそうです。

 

ヤマトタケルノ尊さまが火難から逃れたことから、「火防・火伏」のご神徳があるとされます。

また、天狗はご祭神のお使いとして、崇敬者に災難が起こった時、

直ちに飛翔して災難を取り除いてくれる存在として信仰されています。

 

古峯神社を後にし、山を下り、途中の山道から日光方面へ向かいました。

この山道が日光への近道というのですが、

途中はかなり道幅が狭くなったり、ヘアピンカーブの連続だったり、

森がうっそうとしていて、まるで「ポツンと一軒家」の世界です(笑)。

 

1時間ほどで日光市街に着きました。

最初に世界遺産「日光山輪王寺」に行きました。

輪王寺は766年、勝道上人によって開山されました。

 

この勝道上人は古峯神社でも修行しており、下野国の歴史に欠かせない人物です。

日光男体山を開山(初登頂)したのも勝道上人とされます。

 

本堂(三仏堂)に「阿弥陀如来、千手観音、馬頭観音」の

巨大な金色の仏さま(高さ7.5メートル)がドーンとお祀りされています。

本堂の地下をぐるりと1周しながら、間近から三仏を拝することができます。

 

山田の話です。

「三仏堂の阿弥陀如来は女峯山の田心姫(タゴリヒメノ)命、

千手観音は男体山の大己貴(オオナムチノ)命、

馬頭観音は太郎山の味耜高彦根(アジスキタカヒコネノ)命の“本地仏”とされます。

 

神さまの話では、《神と仏は陰陽関係になっているが、

“本地仏”という考え(本地垂迹説)は神仏の実態とは合っていない場合が多い》

ということです」

 

(注)本地仏とは、日本の神の本地(本来の姿)とされる仏、菩薩

 

ちょうど「徳川家康公坐像」が初公開ということでした。

地下の奥まったところに、家康公の坐像が安置されていました。

 

ポスターを見ると大きなお像とイメージしていたのですが、

小さめのお雛様くらいの大きさです。

 

人間としての家康公ではなく、「東照大権現」という

神さまとして祭るためのお像ということです。

東照大権現は「平和へ導く神さま」としてお祭りされたわけです。

 

次に、歩いて日光東照宮に行きました。

徒歩5分ほどなのですが、上りの坂道になるのでもう少しかかります。

 

平日でも大勢の参拝客で賑わっていました。

外国人が半分くらいいるでしょうか。

欧米や中国からの観光客が団体で来ているようでした。

入場券を買うだけで15分以上かかりました。

 

東照宮で重要なのは、左手にある「本地堂」になります。

東照宮は人間神・家康公を祭るわけですが、

さまざまな願いを聴いてあげるのは人間神では無理なので、

この本地堂の神仏が人間の願いを聴いてあげているという山田の話です。

 

靴をぬいで中にあがったら、ちょうどガイドさんの解説が始まりました。

天井に有名な「鳴き龍」の天井画があります。

 

ガイドさんが、鳴き龍の顔の下で拍子木をうつと、

エコーがかかって、それが鈴を鳴らしたかのように聞こえます。

場所をずらすと、単に拍子木の音だけします。

初めて聞いて、違いを感じられたので、興味深かったです。

 

本地堂は中央に薬師如来さまと十二神将のお像がお祀りされています。

十二神将が十二支に対応し、生まれ年の守り本尊になるという解説でした。

ガイドさんの解説がお上手なので、ついお守りを買ってしまいました(笑)。

 

今回は初めて御本社に上がってお参りできました。

いつも外からお参りしていたので、中に入るのは山田も初めてだといいます。

多くの外国人も興味深そうに見学していて、とにかく賑わっています。

 

東照宮は権力の象徴のような場所であり、

神社というよりも霊廟という面がありますから、雰囲気が重い感じがしました。

 

最後に、東照宮のとなりに鎮座する「下野国一之宮二荒山神社」に行きました。

杉並木の参道を歩いて二荒山神社に行くと、

場がスッキリして、空気が軽くなる感じがあります。

 

東照宮のような派手な装飾もなく、シンプルで、まさに対照的な存在です。

東照宮で人あたりしてやや疲れたのが、二荒山神社で癒される気持ちがしました(笑)。

 

日光は、「東照宮・二荒山神社・輪王寺」がセットで近くにあるので、

まわりやすいところがいいですね。

 

山田の話です。

「日光二荒山神社のご祭神は大己貴命、田心姫命、味耜高彦根(アジスキタカヒコネノ)命です。

味耜高彦根命さまは『古事記』では、迦毛大御神(かものおおみかみ)と呼ばれています。

大御神と呼ばれているのは、『古事記』では天照大御神と迦毛大御神だけですから、

重要な神さまであることがわかります。

 

味耜高彦根命さまは、福島県に鎮座する奥州一の宮・八槻都々古別神社と

馬場都々古別神社のご祭神でもあります。

栃木県と隣接する福島県の一の宮のご祭神になっているわけです。

 

4月22日の講座では、東北六県の神仏をお呼びしてご開運する予定ですので、

その前に味耜高彦根命さまに直接ごあいさつができてよかったです」

 

そういうわけで、22日の講座に、

光のミロクとしてのアジスキタカヒコネノ大神さまが来られますので、

お楽しみに~(^^♪

 

2時間ほどでこの3か所をまわって、宿に行きました。

宿も外国人の宿泊客が多く、「インバウンド」を実感しました…

(後編へつづく)

 

日光東照宮陽明門
日光東照宮陽明門